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電気電子

球の静電エネルギーの導出

2016/08/30

問題

半径aの球内に一様な体積密度ρ(r)={\rho}_{0}で分布した電荷の持つ静電エネルギーを次の2通りの方法で求めよ.
(a)\,W_{e} = \frac{1}{2} \int_{V} \rho(r)V(r)dv
(b)\,W_{e} = \frac{\epsilon_{0}}{2} \int_{\text{TS}} E^2(r)dv
(サイトの画像表示の都合で全空間をTS(total space)としています)

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解答の方針

電位V(r)を求める際、電界がrが球の内部にあるか外部にあるかによって変わるため場合分けをする必要があります。
その後、計算した値を式に当てはめていきます。

解答

電界を求める

球座標系で考える。
対称性より電場はrにしか依存せず電場の向きはr軸に平行。

球外部(a≦r)のとき

\begin{aligned}\oint_{S}E(r) \cdot n(r) ds &=E_{r}\cdot 4\pi r^2\\\frac{Q}{\epsilon_{0}} &=\frac{1}{\epsilon_{0}} \cdot \frac{4\pi a^3}{3} \rho_0\end{aligned}
ガウスの法則より、2つの式は等しいため
E(r) = \frac{\rho_0 a^3}{3\epsilon_{0} r^2} \hat{r}

球内部(0<r<a)のとき

\begin{aligned}\oint_{S}E(r) \cdot n(r) ds &=E_{r}\cdot 4\pi r^2\\\frac{Q}{\epsilon_{0}} &=\frac{1}{\epsilon_{0}} \cdot \frac{4\pi r^3}{3} \rho_0\end{aligned}
ガウスの法則より、2つの式は等しいため
E(r)=\frac{\rho_0 r}{3\epsilon_{0}} \hat{r}

(a)で静電エネルギーを求める

球外部の電位

\begin{aligned}V(a) &= -\int_\infty^a E(r) dl\\&= -\int_\infty^a \frac{\rho_0 a^3}{3\epsilon_{0} r^2} dr\\&= \frac{a^2 \rho_0}{3\epsilon_0}\end{aligned}

球内部の電位

\begin{aligned}V(r) &= V(a) - \int_a^{r} E(r)dr\\&= V(a) - \frac{\rho(r^2-a^2)}{6\epsilon_{0}}\\&= \frac{\rho_{0} (3a^2 - r^2)}{6\epsilon_{0}}\end{aligned}

静電エネルギーの式\frac{1}{2} \int_{V} \rho(r)V(r)dvに当てはめると
\begin{aligned}W_{e} &= \frac{\rho_0}{2} \left( \int_{V} \frac{\rho_{0} (3a^2 - r^2)}{6\epsilon_{0}} \cdot r^2 sin\theta dr d\theta d\phi \right)\\&= \frac{\rho_0}{2} \left( \frac{\rho_{0}}{6\epsilon_{0}} \int_{0}^{a} (3a^2 - r^2)r^2 dr \int_{0}^{\pi} sin\theta d\theta \int_{0}^{2\pi} d\phi \right)\\&= \frac{4\pi \rho_{0}^2 a^5}{15\epsilon_{0}}\end{aligned}

(b)で静電エネルギーを求める

静電エネルギーの式\frac{\epsilon_{0}}{2} \int_{\text{TS}} E^2(r)dvを直接計算すると
\begin{aligned}W_{e} &= \frac{\epsilon_{0}}{2} \int_{V} E(r)^{2} dv\\&=\frac{\epsilon_{0}}{2} \int_{0}^{\infty} E(r)^{2}r^2 dr \int_{0}^{\pi} sin\theta d\theta \int_{0}^{2\pi} d\phi\\&=\frac{4 \pi \epsilon_{0}}{2} \int_{0}^{\infty} E(r)^{2}r^2 dr\\&= \frac{\epsilon_{0}}{2} \left( \int_{0}^{a} E(r)^{2}r^2 dr + \int_{a}^{\infty} E(a)^{2}r^2 dr \right)\\&= \frac{4\pi \rho_{0}^2 a^5}{15\epsilon_{0}}\end{aligned}

解説・補足

(a)の式が電荷系の静電エネルギー、(b)の式が電荷系と導体系の静電エネルギーの式なので (a)∈(b)のような関係があります。
そのため、今回は(a)で出した値と(b)で出した値が一致しました。
静電エネルギーを出す際、何の式を使えば良いか分からなくなったときは(b)の式を使えば良いです。

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