ベンチャー企業のイメージ6つの嘘。リスクとデメリット
2025/07/07
私は現在、いわゆるベンチャーと言われる企業で働いています。Web系の会社です。
DeNAとかサイバーエージェントのように大きな会社ではないですが、一応中堅的な会社です。
今回は就職や転職を考えている方に向けて、ベンチャー企業のネガティブな側面をあえて紹介していきます。
事前に断わっておくと、私はおおむね今の環境には満足していますよ!!
ただ、ネットではネガティブな情報のほうが共有・消費されやすいので記事にするだけです笑
「ネガティブ面なんて些細です。人生楽しんでます」みたいなのは、本当のことを書いてもネット上ではマウンティングになるので、好まれないお約束です。
目次
嘘その1:将来的に起業できるようなスキルがつく!
将来は起業したいです!資金調達!女優と恋愛!目指せ未来の孫正義!!ウェイ!!!
もうこれです、ベンチャーに行きたい人の大半。
「将来的に起業したいから、ベンチャー企業で勉強する。成長したい」みたいな。
起業したいなら、ベンチャーの社員になって遠回りするより早く起業しましょう。
雇われの身ではどうやったって本質的な意味で「起業」のスキルはつかないです。
新規事業担当なんてそれっぽいポジションを用意するベンチャーもありますが、新規事業起こして本当の意味で成功させられるなら何でサラリーマンしてるんでしょう。
マインドが失敗前提だからですね。
自分でリスクをとって成功するよりも、失敗したときに生活が保障されてるリターンが上だと判断するから他人の資本を使おうとするんでしょう。
新卒○年目で新規事業担当者!
そもそも、本当の意味で社内の新規事業担当できる個人って存在するんでしょうか。
詳しく見ると「"既存事業"の"アプリ"の"新規メニュー"の"ディレクション"担当」みたいなロールが常にあります。
社内では確かに大きなことを任されているのかもしれないですが、経済的なインパクトは結局既存事業が大きいので、そこと比べてやることがやはり小粒じゃん、みたいな。
嘘その2:小さい組織のほうが「個」の力が出せる!
大企業では組織の歯車になるだけだ!!歯車になる人生なんて嫌だ!オレ自身を見てくれ!!!
私も、入社前はそんなことを考えていました。
しかしベンチャー企業でも組織の歯車になるのは変わりありませんでした。
「社内で20%の影響力を持てる」のと「社内で1%の影響力が持てる」なら前者という判断だと思いますが、会社自身の影響力も問題です。
流通規模が1000億あるビジネスの1%を任されるのと、10億のビジネスで20%の影響力が持てるのじゃ、市場全体での影響力は全然変わりますよね。
ベンチャーに行って「役員」とか「執行役」みたいなそれっぽい肩書がもらえると「何者かになれた感」を手軽に味わえるのですが、例えば会社が買収されて「親会社の1サラリーマンのほうが力関係が上」みたいになってしまってる状況ってよく見るんですよね。
嘘その3:大企業よりも成長できる環境!
社会人数年の収入なんて長い人生で見れば誤差レベル!!若いうちは成長できる環境にいたほうが長い人生で見ると得!
みたいなやつです。成長ってそもそも何なのでしょうか。
大きい組織では、仕事が様々な要因に分解されて、各業務フローに特化したプロフェッショナルが求められるので成長の意味も分かりやすいです。こういう意味ではむしろ大企業のほうが成長しやすい環境でしょう。
ベンチャー志向の人は、特に「プログラミング力」とか「資格」のような特定のスキルに関する成長ではなく「事業全般」みたいなぼんやりした成長を求めるのがややこしいです。
「うちは成長できるよ」なんて口説いてくるベンチャー人事も多いんですが、マジで適当なこと言ってるだけです。
みんな雰囲気で成長言ってるだけなので、全くロジックが立っていないんですよね。
評価制度も、経営陣の良くわからない好みで設計されて、かなりの額の給料が変わってきてしまったりもする。
成長は「させてもらうもの」ではなく「するもの」なので、実際は大企業もベンチャーも差はないです。
というか、ベンチャーという括りすら実際は雰囲気でしかないし。しょうもな!
嘘その4:なんか株が貰えてめっちゃ稼げる!
「上場してベンチャー株式でウェイ!」みたいなのもよく耳にします。
これって、創業期からのコアメンバーが上場時に生涯賃金を超えるような額を受け取っているケースと混合されてる部分がかなり多いと思います。
1従業員がストックオプションや持株会で株式を得たとしても、実際は1年のボーナス程度にしかならないことがほとんどです。
具体的には、創業期からの一般従業員が上場時に受け取れる株式は1~2千万程度。
上場の数年前に入った一般従業員などはストックオプション分配なし。
上場後の持株会は1割の補助が出る程度で、売買も自由な期間にはできない。
みたいなものが多いです。
こういった金額は上場時に開示されているので、実際に調べてみてください。
正直、実際に上場できる非上場企業はごくわずかです。
宝くじを配ってるのに近いので、これを期待して転職などするのは少しズレてると思います。
嘘その5:好きで仕事してる優秀な人が多い!
ネットをみてると、やたら成長意欲があったり、最先端の技術に明るかったりする「イケてる・キラキラしてる会社」ってみんなベンチャーじゃないですか。
で、実際のベンチャーにそういう優秀な人が沢山集まっているかというと、そうでもない感覚です。
コミュニケーションが上手くて、英語ができて、難しい問題が解けて、みたいな所謂エリートって結局コンサル会社とかGoogleとか行くんでしょうね。
そういうスーパーマンが集まるのがベンチャーではないので、当然、尖ってる部分が見えないと、ぱっと見「あれ?」って思ってしまう感じの人が多いです。
上層部の人は確かにギラギラしてるのかもしれませんが、現場で働く人はどうしても「稼がないといけないから」というような感覚でいる人のほうが過半数です。
休日も自己研鑽に励んでいたり、自分の人生を仕事に掛けたりしてると、むしろ浮きます。
そういう意味で、全社員で同じビジョンを共有できてるようなベンチャーって日本に数社あるかないかですね。
嘘その6:ベンチャー企業は倒産しやすい
最後に、これだけデメリットじゃない嘘。
私達が就職や転職で入れるようなベンチャー企業って、一般的なルートを通せば「人材を採用する財務的な余裕がある会社」ばかりです。
就活性などは「就職先が潰れないこと」を最重要視して会社を選ぶような人もいますが、実際はそこって重視するポイントではないんですよね。
一般的に企業の稼ぎの規模は1従業員の給料とは比べ物にならない額で、その額が傾いてくるサイクルよりも個人がダメになるサイクル、次のステップを目指すサイクルのほうが短いわけです。
なので、入る先の会社がどうなるかよりも、そこに入った自分がどうなるのかベースでベンチャーを探していけるといいのかなと思ってます。
以上~